国税庁から、「令和3年分年末調整のしかた」や令和3年分年末調整のための各種申告書などの年末調整に関する資料が公表されました
昨年の年末調整は、申告書の様式変更や基礎控除や給与所得控除の見直しがあり、戸惑われた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。
令和3年は大きな変更はありませんが、繁忙期前に、改正点の確認をしましょう。
①押印欄の見直し(一例:従業員から提出される年末調整関係書類から押印が不要となりました)
②年末調整申告書を電磁的方法(電子データ等)で提供する場合の税務署長の承認廃止
③住宅ローン控除の特例の見直し(要件緩和・期間延長)
④退職所得課税の見直し(令和4年1月1日以降に支払った退職手当等から適用)
①給与所得控除額の引き下げ
②基礎控除額の引き上げ(原則48万円の控除。合計所得が2,400万円を超える人は所得額に応じて次第に減少)
③所得金額調整控除の創設
④扶養控除や配偶者控除の合計所得金額要件の変更
⑤ひとり親控除の創設(婚姻歴、性別に限らず控除額35万円)
⑥年末調整手続きの電子化に向けた施策(控除額証明書の電子データでの受理、申告が可能になりました)
⑦「基礎控除申告書」「所得金額調整控除申告書」の創設 (「給与所得者の基礎控除申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」「所得金額調整控除申告書」が1枚の用紙にまとまります)
令和2年10月以降、年末調整手続きの電子化によるバックオフィス業務の簡便化が出来るようになりました。これまで通りの紙での提出、保管でもよいのですが、電子化した場合のメリットを確認し検討してみてはいかがでしょうか?
紙で提出する場合
・保険料控除額は従業員が手計算し記入するため、計算ミスや転記もれの可能性があり、社内で再チェックが必要でした
・扶養家族の所得の見積額が扶養対象かチェックが必要でした
・申告書の様式が変わると、給与担当者への質問が増加する可能性があります
電子化に対応した場合
・保険料控除証明書の電子ファイル読込で保険料控除額の計算は自動計算となり、社内の検算作業が不要になります
・扶養家族の所得の見積額の収入を入力し所得金額を計算する機能があります
・従業員はWEB画面の項目に沿って入力して行くことで、様式の変更を意識せずに申告書が作成できます。
企業の事前準備
・従業員への周知(国税庁HP:従業員向けリーフレット1)
・電子化に対応したシステムの導入(改修)
・所轄の税務署長へ「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出
従業員の事前準備
・従業員がマイナンバーカードを取得する(国税庁HP:従業員向けリーフレット2)
・従業員が保険会社等から控除証明書等データで取得する
(保険会社等によっては、電子データでの発行に対応していない場合もあります。その場合は、従来通り紙で提出となります。)
控除証明書の電子データの交付は、保険会社や金融機関によっては対応していない場合があり、紙での提出と電子データでの提出が混在することになります。まずは、申告書のWEB提出から始め、控除証明書の電子データでの提出は来年から導入していくなど、会社の規模や担当者の負担に合わせて段階的に進める方法もできます。(※PXまいポータルは、扶養控除申告書等のWEB提出に対応したシステムです。詳細はこちらをご覧下さい。)
1)保険料控除や配偶者(特別)控除の控除額の検算が不要
2)控除証明書等のチェックが不要(従業員が控除証明書等データを利用した場合)
3)従業員からの問合せの減少が見込まれます(PXまいポータルのWEB入力では、各項目に解説があり、その場で解決できます。)
4)年末調整関係書類の保管コストの削減
提出された電子データを原本として保管するため、書類の保管が不要になります。(従業員が紙で提出した場合は、当該書類の保管が必要になります。(保管期間7年))
1)控除額等の記入・手計算が不要となり入力の手間が減ります
2)電子データの場合、控除証明書等データを紛失しても再交付依頼が不要
3)データ提出なら押印が不要
4)PX給与管理システムに登録済みの項目(住所や家族情報など)は初期表示されるため、一から入力する手間がなくなります。
5)税制改正により控除申告書の様式が変わってもWEB画面の流れに沿って入力することで記入漏れや計算ミスをなくします。
PXまいポータルでは、「扶養控除申告書」等の年末調整申告書の電子での提出に対応済みですが、保険料控除証明書の読込機能については一部未対応の機能があります。
(1)保険料控除証明書の電子データで取得する方法については、保険会社のいわゆる「お客様ページ」からダウンロードする方法に対応いたします、マイナポータルからの一括取得には、対応していません。
(2)「住宅借入金等控除証明書の読込機能」、「住宅借入金等控除申告書のWEB入力」は来年以降のPXまいポータルに搭載する予定です。